武蔵嵐山駅西口の整備とラベンダー園は…嵐山町長選、25日告示 前町議の他に動きなく、無投票の公算
嵐山町長選は25日告示される。4期16年、町政を担った岩沢勝町長(78)が、任期限りでの退任を表明する中、立候補を予定しているのは前町議で新人の会社社長佐久間孝光氏(60)だけで、他に動きはなく、無投票の公算が大きい。佐久間氏は、2004年と08年の町長選に立候補、いずれも岩沢氏に敗れており、今回が3度目の挑戦。出生率向上の子育て支援や健康寿命の延伸、グローバルな人材育成などを公約に掲げている。
町政の最大の課題は人口減少と少子高齢化。00年の1万9816人をピークに人口減少と少子高齢化が進み、1日現在の人口は1万7800人で、高齢化率は33・2%。昨年度の出生数は78人だった。
国立社会保障・人口問題研究所の推計で、60年には9034人まで落ち込むと試算。同町は人口の社会増や出生率を上げることで、60年の人口を1万2260人とすることを目標に掲げている。佐久間氏は、出生率向上について「国や県よりも(町の出生率が)圧倒的に低い」とし、対応として、子育て世代を中心としたプロジェクトチームの結成、給食費や医療費などの経済的支援の強化を打ち出している。
同町は人口減対策に関連して、まちの活性化や稼ぐ力・若者の定住などを推進。具体的には昨年オープンの新名所「千年の苑ラベンダー園」を核とした観光資源化、武蔵嵐山駅西口整備事業の着手、約40社が操業する花見台工業団地の拡張に取り組んでいるが、佐久間氏は「駅西整備とラベンダー園などは、まず見直したい」との見解を示す。
武蔵嵐山駅西口の駅前通りは、空き店舗や空き地(駐車場)が目立つ。住民によると、「昔は多彩な店が並び、駅の東側に住宅団地もあって、にぎわっていた」という。客待ちのタクシー運転手は「コロナ禍もあり、ご覧の通り、少ない」。60代の女性は「隣の滑川町のように若い世代が住もうと思うような町づくりを進めてほしい」と話す。
町長選について、50代男性は「無投票? 町に元気がない証し。駅西口整備の話しが出ているが、ハード面をやってもソフトの部分も考えないと駄目。子育て支援を厚くしてもらいたいね」と総合的な対策を求めた。