埼玉新聞

 

スーパーゼウス×埼玉県警! 里崎さんが始球式、交通安全訴える きょうから冬の交通事故防止運動スタート

  • 出発式前の始球式で球を受ける元千葉ロッテの里崎智也さん(左下)=11月30日午前、埼玉県庁

    出発式前の始球式で球を受ける元千葉ロッテの里崎智也さん(左下)=11月30日午前、埼玉県庁

  • 出発式前の始球式で球を受ける元千葉ロッテの里崎智也さん(左下)=11月30日午前、埼玉県庁

 冬の交通事故防止運動が1~14日まで実施される。埼玉県内の今年の交通事故死者は、29日現在で前年同期に比べて11人(11・6%)増の106人(全国ワースト6位)で、昨年の年間死者104人をすでに上回っている。県警は特に人や車の動きが慌ただしくなり、事故多発が懸念される年末に向けて、警戒を強化するとともに、啓発活動を通じ、改めて県民に安全意識の向上や交通ルールの順守、マナーの実践を促す。

 県内では11月14日に川口市の市道で徒歩の会社員男性がはねられた事故で、昨年よりも25日早く今年の交通事故死者が100人に到達。同月25日には久喜市の市道で送迎車と軽乗用車の衝突事故が発生し、送迎車の後部座席に乗っていた高齢男性が死亡した。この事故で死者が105人となり、1カ月以上を残して昨年1年間の死者数を超えるハイペースで推移している。

 県警交通総務課によると、これまでの死者106人を年齢層別でみると高齢者(65歳以上)は55人(前年同期比6人減)で全体の約52%を占める。状態別では歩行者が40人で最も多いが、前年比では3人減。原付を含めたバイクが32人で10人増、自転車が21人で5人増となっていて、全体の死者数を押し上げている。

 2018~22年の計5年間に県内で発生した交通事故死者数(累計647人)の月別では、12月が68人で最多。同期間の自身事故件数(同9万5880件)でも12月が1万502件で圧倒的に多く、死亡、人身事故とも年末に向けて増加傾向にある。

 さらに過去5年の12月の死者数を時間帯別でみると、午後4~6時が最多の9人で全体の約13%を占める。日の入りの前後1時間を指す「薄暮時間帯」の死亡事故の約8割は歩行者、バイク、自転車で車の運転手から見えづらいことが一因となっているとみられる。

 同課は「車を運転する人は安全確認をする際、どうしても大きな車ばかりに気が向きがちだが、道路には車よりも小さな歩行者、バイク、自転車がいることを忘れずに、運転に集中してほしい」と呼びかけている。

■元千葉ロッテ・里崎さん、県庁で交通安全訴え

 1日に始まる冬の交通事故防止運動に合わせて事故防止を促そうと、県警は30日、県庁で出発式を実施した。

 さいたま市南区に工場を構えるロッテのチョコレート菓子「ビックリマン」のキャラクター「スーパーゼウス」とのコラボで、スーパーゼウスを交通安全広報大使に委嘱。ビックリマンPR大使を務めるプロ野球千葉ロッテマリーンズ元選手で野球解説者の里崎智也さん(47)が会場に駆け付け、交通安全を訴えた。

 里崎さんは出発式に先立ち行われた始球式で捕手を務めた。交通安全の願いが込められた投球を受け、悪質運転する“悪魔”役に見立てた打者を空振り三振に。「思いやりを持って意識を高めることで、事故は未然に防ぐことができる。事故をせず、幸せな年末を迎えてほしい」と呼びかけた。

 出発式では、県警の荻野長武交通部長が取り締まり部隊に対し「重大交通事故を一件でも未然に防ぎ、県民の期待と信頼に応えてほしい」と訓示した。

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