ガバナンス機能していない…さいたま市PTA協、日本PTA協から脱退へ 市内加盟校は158校「不利益ないように」
埼玉県さいたま市PTA協議会(市P、郡島典幸会長)が、上部団体の日本PTA全国協議会(日P、後藤豊郎代表理事・会長)から本年度末に脱退することが22日、分かった。公式ホームページ(HP)で、今月20日の理事会で決定したと明らかにした。市Pは日Pの不明瞭な会計処理などを指摘し、公開質問状を複数回提出。適切な対応が行われないことから、「日Pは正常なガバナンスが機能していない」と認定し、脱退するとした。
市Pは「日P脱退による会員への不利益がないように配慮し、そのための施策を速やかに検討、実施していく」としている。日Pが正常なガバナンスを取り戻した際は、再度加盟を検討するという。
市Pはこれまでに、日Pの2022年度予算で、約4700万円に上る赤字や3千万円を超える旅費交通費と会議費、東京都港区の日P会館の修繕工事の決裁などを巡り、説明を求めて公開質問状を提出。不明瞭な会計を調査するとしていた日P前会長が7月、突然解職されたことについても公開質問状を出していた。 日Pは市Pに対して、「回答する義務はなく、個別の質問に対しては答えを差し控える」などの事務連絡を通知している。
解職された前会長は9月に記者会見を開き、「事実無根のハラスメントで解職された」と説明。支出に関する決定の不透明さや長年にわたるOB支配に言及した。日Pも会見を開き、「女性事務員に対して長時間、繰り返し指示したのをパワハラと認定した」と反論している。
一方、市Pは、過去に重大な内規違反があったと認定し、本件に大きく関与したとされる者を暫定的に処分すると発表した。暫定期間は24年度定期総会までとし、定期総会で正式に処分する。第三者委員会に付託している内容と関連する恐れがあるため、内規違反や処分の内容は調査終了まで非公表としている。
市Pは1079万円の使途不明金が発覚したとして、今年3月に第三者委を設置。今月21日、第三者委の調査期間の再延長を公式HPで発表した。第三者委は8月に調査期間を3カ月延期、今回も3カ月程度を見込んでいる。
市Pは市内の学校158校が加盟し、加盟校の児童生徒数は約9万3500人に上る。