埼玉新聞

 

死亡原因の第1位、がんでの落命は県内で年2万人 川越の中学校でがん出前講座「がんに正しい理解を」

  • 川越市立霞ケ関東中学校体育館でがんの出前講座をする儀賀理暁さん

 県主催の「がん教育出前講座」が川越市立霞ケ関東中学校(石川聖徳校長)で、3年生を対象に開かれた。「がんについて正しい理解や健康と命の大切さについて考えることができるようにする」という狙いで、埼玉医科大学総合医療センター緩和医療科教授儀賀理暁さんが講師を務めた。

 県内では年間約2万人ががんで命を落とし、死亡原因の第1位となっている。外科医である儀賀さんは、受精卵のスライドを見せ「命はどこからがスタート?」と生徒とのキャッチボールから始め、「皆さんこそが奇跡の命」と優しく語り掛けた。

 儀賀さんは、がんがウイルス感染などにより遺伝子(命の設計図)が傷付くことが原因となり得るとした上で、日常生活の中にも、発症の確率を下げられる工夫があると説いた。

 また、緩和ケアの医療現場での体験から、「つらいときは助けてと声を上げて。必ず誰かが手を差し伸べてくれるから」「幸せは自分の中にあるよ。日々の学校の暮らしの中でもう見つけているね」と話した。

 参加した神田洋介さん(15)は、「僕が5歳の時、祖母ががんで亡くなった。がんにならないための生活をしていきたい」と感想を述べ、身近な問題として捉えたようだ。

 県のがん対策担当の川口真生子さんは、「将来、皆さん自身ががん検診に行くと共にご家族にも検診を進めてください」と生徒らに訴えた。

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