次期衆院選へ…埼玉県内の各党、準備加速 小選挙区「1増」の埼玉、16選挙区に54人の立候補予想
衆院議員の任期は昨年10月に折り返し地点を過ぎ、与野党ともに各候補者や陣営が準備を加速させている。前回2021年10月の衆院選では埼玉県内15小選挙区に計44人が立候補し、自民が12議席、立民が3議席を獲得した。1票の格差を是正する区割り変更に伴い、県内16小選挙区(1増)となる次期衆院選に向け、埼玉新聞社の調べでは3日現在で計54人の立候補が予想されている。
政治と金の問題を巡り、逆風にさらされる自民は公明幹事長の石井啓一氏を推薦する14区(草加、八潮、三郷市)を除き、15の小選挙区にそれぞれ現職を擁立する。14区では当初、候補者擁立の準備を進めていた地域からの反発が根強く、昨年6月には党本部から茂木敏充幹事長が県連の意見交換会に参加。県連幹部らが地元支援者への説明を尽くして決着を図った。
昨年11月に開催した政経フォーラムで柴山昌彦県連会長は「全ての選挙区で与党の候補者が勝利を収める。与党が結束して進むことが日本、埼玉の未来につながる」と結束をアピール。14区には国民の党幹事長代理を務める鈴木義弘氏、維新からは22年7月の参院選で次点となった弁護士の加来武宜氏、共産も元三郷市議の苗村京子氏がそれぞれ支持を訴え、どこまで自公の協力が機能するかを含めて注目を集めそうだ。
立民は1、3、5~12、15、16区に計12人を擁立。前回同様10、12区は自民との一騎打ちか。どちらも約10万票の当選ラインに対し、数千票差の接戦だった。8区(所沢、ふじみ野市、三芳町)で柴山氏に挑む元杉並区議の市来伴子氏陣営は、昨年10月投開票の所沢市長選で自公推薦の現職を破った小野塚勝俊氏に応援を依頼したものの、実現は難しそうだ。
野党第1党を目標に掲げる維新は、前回の4人を大きく上回る計11人が出馬を予定。県内で比例80万票の獲得を目指す決議を採択し、決議文では前回衆院選で立民が獲得した77万票を超えることなどを目標設定の理由に挙げた。
公明は昨年3月に石井氏の出馬を表明。小選挙区での挑戦は1993年以来で、「私自身を知っていただくよう、さまざまな場面で地域に入りたい」との言葉通り、地盤固めに奔走してきた。若者や無党派層への支持拡大を狙う共産は計9区、参政は計4区でそれぞれ新人が立つ。