埼玉新聞

 

暴力団員であること隠し、コロナ貸付金を申請…容疑で男逮捕 住吉会傘下組織、自称会社員「暴力団でない」

  • 川口署=川口市西青木

 暴力団員であることを隠して県社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付制度の貸付金20万円をだまし取ろうとしたとして、県警捜査4課と川口署は20日、詐欺未遂の疑いで、川口市東本郷、指定暴力団住吉会傘下組織組員の自称会社員の男(48)を逮捕した。

 県警によると、同制度を利用した詐欺事件(未遂含む)の摘発は県内初。貸付額は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例貸付として、上限が10万円から20万円に増額されていた。

 逮捕容疑は、自身が暴力団員であることを隠して生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金特例貸付を申請し、貸付金20万円をだまし取ろうとした疑い。

 同課によると、申込書には申請者が暴力団員ではないことを確約する箇所があるが、男は身分を隠していた。コロナ禍の影響で収入も減ったと偽っていたとみられている。

 県社会福祉協議会が7月20日、川口署に情報提供。提出された住民票や通帳の写しなどから、男の犯行を特定した。貸付金は支給されていなかった。

 男は「申請はしたが、暴力団ではない」と容疑を否認しているという。

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