許されない…相次ぐ痴漢予告、卑劣な人物ら書き込む 遅刻したくない受験生の弱み、付け込んで悪質 駅ホームや列車内など警戒強化 昨年は痴漢1人を検挙、4人に指導警告 事件で遅刻した受験生は救済策が
13日から始まる大学入学共通テストを前に、受験生を痴漢犯罪から守ろうと、埼玉県警生活安全総務課は11日、さいたま市大宮区のJR大宮駅構内で痴漢撲滅を訴えるキャンペーンを行った。県警では大学入学共通テスト期間である13、14日の2日間をはじめ、県内の私立、公立高校の入試日には鉄道駅ホームや列車内などで警戒を強化する。
キャンペーンでは「チカン撲滅広報アンバサダー」の委嘱式が行われ、女子サッカー大宮アルディージャVENTUSの柳井里奈監督、塚本泰史クラブアンバサダーが就任。柳井さんは「受験生が夢への第一歩を安心して踏み出せるように精いっぱい務めたい」、塚本さんも「大宮を背負うクラブとして少しでもより良いまちづくりに協力したい」と意気込み、県警警察官やボランティア団体、中学生や高校生、企業など約60人の参加者らと協力し、駅利用者にリーフレットなどの啓発品を配布した。
県警本部で昨年、大学入学共通テストや県内高校入試日に鉄道駅ホームや列車内などで行った先制・予防的活動では、中高生を狙った痴漢を1人検挙、4人に指導警告した。近年、インターネット上では試験に遅刻したくない受験生の弱みに付け込み、試験当日に痴漢行為を予告する書き込みが相次いでいる。
県警生活安全部の圓谷庄二参事官は「こうした痴漢予告は、受験生の弱い立場に付け込んだ極めて悪質、卑劣な行為であり決して許されない」と強調。「受験生が安心して受験会場に向かい、本来の力を発揮できる環境を構築するために痴漢犯罪の予防、検挙対策を推進していきたい」と力を込めた。
大学入試センターホームページでは、大学入学共通テストについて試験会場に向かう途中に、事件に巻き込まれた場合や痴漢の被害に遭った場合は「追試験の対象となる」と回答し、「速やかに受験票に記載されている『問い合わせ大学』に電話連絡を行ってください」としている。