埼玉新聞

 

<新型コロナ>大宮区・南銀座で路上にテラス席設置 3密避ける安全な空間、新たなにぎわい創出を

  • 区切られた路上スペースに簡易テーブルを設置する「もつ焼き大阪屋」の赤坂さん=20日午後、さいたま市大宮区

 さいたま市大宮区の南銀座商店会では、新型コロナウイルス感染拡大防止で「3密」を避けるため、路上の一部を活用できる取り組みを始めた。20日からテラス席や販売スペースとして、各店が利用できる。同地域の接待を伴う飲食店でクラスター(感染者集団)が頻発し、遠のいた客足を呼び戻すのが目的。商店会担当者は「3密を避けて安全に飲食できる空間をつくっていきたい」と話している。

 新たな取り組みは、国土交通省による「沿道飲食店等の路上利用に伴う道路占用許可基準の緩和」を受けたもの。路上にテラス席や販売スペースを設置することで3密回避や「新しい生活様式の定着」を図り、新たなにぎわい創出を目的としている。

 大宮南銀座通りと旧中山道へつながる片倉新道の一部を「南銀屋台通り」とし、店から1メートル前までの路上を白線で区切り、各店が自由な空間として活用できる。同じような試みは大宮区の「大宮一番街商店街」でも実施されている。

 大宮駅から南銀座通りの入り口付近にある「もつ焼き大阪屋」ではビールケースを使った簡易テーブルを設置した。同店では6月、近くのキャバクラ店でクラスターが出た影響により、売り上げが激減。一日数人しか来店しない日もたびたびあった。3代目の赤坂架月さん(27)は、「創業50年以上たつが、これだけ苦しい時期はなかったのでは」と話す。

 これから寒くなる時期に屋外にテーブルを出すことへ戸惑いもあったが、「熱かんやもつ煮込みなどの温まる商品を提供し、店の魅力を知ってもらう機会にしたい」と期待する。

 同商店会では20日から試験的に5店で行い、今後は約20店舗が実施予定という。

 開催は11月29日までの午後5時~同10時。

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