自転車で路上に飛び出し、車の通行を妨害したとして、県警交通指導課と上尾署は26日、道交法違反（あおり運転）の疑いで、桶川市寿1丁目、パートの男（33）＝暴行容疑で逮捕＝を再逮捕した。

　同課によると、あおり運転を厳罰化した6月の改正道交法施行後、自転車による妨害行為への適用は全国で初めて。男は「車の運転手のマナーが悪いので注意を促した」などと供述しているという。

　再逮捕容疑は今月5日午後2時ごろ、桶川市南1丁目のセンターラインのある片側1車線の市道で、自転車で蛇行運転を行った上、対向してきた県内の女性（44）の車とすれ違う際、中央線からはみ出す寸前の位置に飛び出し、交通の危険を生じさせた疑い。女性にけがはなかった。

　県警は今月5日、自転車の危険な運転を注意した男性の胸ぐらをつかむなどしたとして、暴行の疑いで男を逮捕。暴行事件の捜査中に、あおり運転についての容疑が浮上し、ドライブレコーダーの映像などから捜査を進めて妨害行為を特定した。

　男は近隣住民から「ひょっこり飛び出し男」と呼ばれ、同署にはこれまで自転車の蛇行運転や妨害行為などについて数十件の通報があるという。

　県警は男が他にも同様の妨害行為を行っていたとみて、詳しく調べる。

　改正道交法では、車間距離不保持▽通行区分違反▽急ブレーキ禁止違反―など10類型をあおり運転の対象として規定。高速道路での行為や車のライトなどについての違反を除く、7類型が自転車の違反行為の対象とされている。

　今回の男の行為は7類型のうちの安全運転義務違反に該当するとされる。