埼玉新聞

 

助けて…震える女性、早朝の水路で泥に埋まる 男女3人で救出 女性のピンチを教えてくれたのは犬

  • 鰺坂裕一署長から感謝状を受け取る斉藤栄市さん(左)、佐田美智子さん(中央)、小野寺久治さん(右)

 幸手署は22日、用水路に落ちて動けなくなった女性を助けた人命救助の功労で、幸手市の斉藤栄市さん(55)、佐田美智子さん(54)、小野寺久治さん(70)に感謝状を贈った。

 同署などによると、9月22日午前5時半ごろ、斉藤さんが犬の散歩に行く途中、隣家の犬がほえ続ける方角に目を向けたところ、自宅近くの用水路で下半身が泥に漬かり直立したまま動けなくなっている70歳代女性を発見した。現場は、幅約5メートル、深さ約1・5メートルで、女性は水路中央部でうつむき震えていたという。斉藤さんが声を掛けるとかすかな声で「助けてください」との応答があったため、護岸から川中に延びる塩ビ管を伝って女性に近づき腕を引いていると、通り掛がかった佐田さんが斉藤さんに声掛けし110番した。同じ頃、飼い犬の異常なほえ方から様子を見に来た小野寺さんが異変に気付き、自宅から梯子を運んで用水路に立て掛け、協力して女性を引き上げた。

 3者の迅速な連携プレーで救出したことに対し、斉藤さんは「皆いつもあいさつしている顔の見える間柄だったので、スムーズに連携して対応できたのだと思う」と説明。「人生であるかないかの表彰なのでうれしい」と喜びを語った。

 鰺坂裕一署長は「女性は1時間近くその場にいて低体温になっていたようなので、一人の命が救われたといっても過言ではない。地域の絆があることは心強い。今後ともよろしくお願いいたします」と3人をたたえた。

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