埼玉新聞

 

<埼玉西武だより>母国愛あふれる呉念庭、「台湾デー」で力蓄える チーム内に広がった台湾マスクの波

  • 17日の「台湾デー」の始球式で捕手役を務める埼玉西武の呉念庭(球団提供)

  • 呉が配布したマスクを着用する(右から)山川穂高、熊代聖人ら埼玉西武ナイン(球団提供)

 17日に行われた「台湾デー」。メットライフドーム前には台湾の魅力をPRするブースが並び、試合前には台湾プロ野球チーム統一ライオンズのチアグループ「Uni―girls」と埼玉西武ライオンズ「bluelegends」のコラボパフォーマンスのイベントが開催されるなど、台湾一色で行われたゲームだった。

 そんな中、ベンチに目をやると普段とは少し違う光景に気付いた人がいるのではないだろうか。そこには「I(ハートマーク)TW」と描かれたマスクを着用している選手がちらほら。「実は、台湾の友たちがマスクを贈ってくれまして。これを見て、もっと(多くの人に)母国のことを知ってもらいたいなと思ったんです」。台湾出身の呉念庭(ウー・ネンティン)が、そのマスクを当日、チームメートに配布したことを明かした。

 実は呉。今年が5年目のシーズンとなるが、この2015年から続いている台湾デーにスタメン出場するのは初めてのことだった。「うれしかったです。もちろん、この日が台湾デーであることも知っていました」

 30枚ほどの台湾マスクを手に「最初は(年の近い)山野辺(翔)や川越(誠司)に『これ、着けてくれよ』って(笑)」。その波は次第に広がり、山川穂高や熊代聖人、赤田将吾打撃コーチに至っては自ら手に取って着けてくれた。

 呉自身は、限られた出番の中でアピールを求められる立場。それでも、さまざまなポジションをこなし、小技でもチームを支える日々だ。シーズンがクライマックスに差し掛かった終盤戦、古里・台湾の懐かしい匂いに力をもらった呉が、ここぞという場面でチームを救ってくれることを期待したい。(埼玉西武ライオンズ広報部・田代裕大)

ツイート シェア シェア