翔んで…に続け!「呑んで埼玉」 県酒造組合「埼玉県民にはそこらへんの酒でも飲ませておけ!!」
埼玉県内32蔵でつくる埼玉県酒造組合(松岡良治会長)の新年賀詞交換会が17日、熊谷市内のホテルで開かれ、「唎酒(ききざけ)師女優」として知られる上尾市出身のタレント緑川静香さんがゲストとして出演。同組合の滝澤英之副会長とコラボした講演で、埼玉の地酒をPRするため、映画「翔(と)んで埼玉」にちなんで「呑んで埼玉」と銘打ち、埼玉を日本の“酒都”にする「日本酒埼玉化計画」を提案した。
「しーたん」の愛称で親しまれる緑川さんは、日本酒ソムリエとして埼玉を始めとする全国の酒蔵を巡ったり、日本酒の魅力を世界に伝える活動を展開している。
組合によると、埼玉の酒は直近の都道府県別の日本酒出荷量(2022年12月~23年11月)で前年に続いて4位(2万2081キロリットル)をキープ。前年同期比で全国平均(96・2%)を上回る102・3%の伸びを示している。本年度の全国新酒鑑評会では7社の銘柄が金賞に輝いた。
緑川さんは県内の蔵元を巡った経験を語りながら、「埼玉には個性豊かなおいしいお酒がたくさんある。もっと広く発信した方がいいのに。『隠れた酒大国』だけど、隠れちゃだめ」と激励。組合員の若手経営者らが作成した「呑んで埼玉―埼玉県民にはそこらへんの酒でも飲ませておけ!!」と記されたポスターも披露され、「彩の地酒」を盛り上げようと気勢を上げた。
組合員のほか、税務署や県関係者ら約40人が出席。日本酒の“埼玉化計画”に向けて会場からも意見が求められ、「まずは地元の人に埼玉の地酒をもっと愛してもらうブランディングが必要」「観光と酒蔵を結び付ける取り組みを」「酒蔵をテーマパークに」といった意見が出た。
緑川さんは「埼玉で生まれ育ち、埼玉を愛している。皆さんと一緒に魅力的な埼玉のお酒を伝えていく」と発信力アップへ協力を約束した。
松岡会長は会の冒頭あいさつで能登半島地震の被災者へのお悔やみとお見舞い、支援について語った上で「出荷量もコロナ前に戻ったと思う。近年は和食人気もあって30歳以下でお酒を飲む方が増え、消費者の底辺が広がっている」と指摘。「埼玉は若い杜氏(とうじ)さんや経営者が多く、各蔵で多種多様なお酒が造られている。新しい発想で埼玉の地酒を盛り上げてほしい」と若手組合員らが考える“埼玉化計画”を後押しする方針を示した。