埼玉新聞

 

まさか…アイガモ100羽盗まれる 久喜の農園、食肉用でなく害虫駆除に飼育 大量窃盗事件とも関連か/久喜

  • アイガモ約100羽が盗まれたアイガモ農園の渡辺優社長=2日午後4時ごろ、久喜市八甫4丁目

 久喜署は2日、久喜市八甫4丁目の「アイガモ農園」で、飼育中のアイガモ約100羽(時価計30万円相当)が盗まれたと発表した。同署は夜間に何者かが侵入して盗んだとみて、埼玉や群馬など北関東を中心に発生している家畜や果物の大量窃盗事件との関連も含めて調べている。

 同署によると、農園ではアイガモ約135羽と鶏約65羽を飼育。飼育者の男性(68)が10月30日午前8~10時ごろ、餌を与えに行った際は異変がなかったものの、翌31日の同時刻に訪れて多くのアイガモがいなくなっていることに気付いた。鶏は無事だったという。男性が2日午後1時半ごろ、久喜署を訪れて被害を届け出た。

 農園の畜舎は約200平方メートルで敷居があり、扉にはかんぬき錠が付いているものの、施錠はされていなかった。壊された形跡はないという。

 同農園ではアイガモ農法を取り入れており、田植えの時期に害虫を駆除するために飼育している。食肉用ではないという。アイガモは飛べず、帰巣本能があるため、逃げないとされる。

■農園社長「寂しさと憤り」 アイガモ農法でコメや野菜を育てている久喜市の「アイガモ農園」の飼育場から、アイガモ約100羽がこつぜんと姿を消した。農園の渡辺優社長(68)は「ずっとかわいがっていたカモが突然いなくなり、寂しさと憤りを感じる」と感情をあらわにする。

 飼育場では100羽以上のアイガモを飼育しており、渡辺社長が毎朝欠かさず餌をやっていた。被害に気付いたのは10月31日の早朝。普段通り飼育場を訪れると、一目でアイガモの数が激減していることに気付いた。「県北部では、家畜や農作物の盗難被害が相次いでいるが、まさか、うちも被害に遭うなんて」

 同社は過去にも、重機や車のタイヤ、苗木などの盗難被害があり、その都度、警察に被害届を出している。渡辺社長は「これまで被害に遭ったものは全て戻ってきていないが、アイガモはわれわれが愛情を込めて育てたもの。戻ってきてほしい」と願っている。

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