埼玉新聞

 

初診待ち57日…30日に短縮へ 「療育センター」開設、さいたま市岩槻区に 市内3カ所目、2カ所が西側のため今回東側に新設 障害児らへ早期対応、民営センターも連携 医師、心理士、ケースワーカーら常駐

  • 2月1日開設の「療育センターひなぎく」。旧岩槻区保健センターをリニューアルした=さいたま市岩槻区府内

    2月1日開設の「療育センターひなぎく」。旧岩槻区保健センターをリニューアルした=さいたま市岩槻区府内

  • 診察室、相談室のほか、ボルダリングなどがある作業療法室を整備している

    診察室、相談室のほか、ボルダリングなどがある作業療法室を整備している

  • 2月1日開設の「療育センターひなぎく」。旧岩槻区保健センターをリニューアルした=さいたま市岩槻区府内
  • 診察室、相談室のほか、ボルダリングなどがある作業療法室を整備している

 さいたま市は2月1日、「療育センターひなぎく」を岩槻区に開設する。肢体不自由児や未就学の発達障害児らを対象とした診療所で、療育センターとしては市内3カ所目。市は初診待ち時間の長期化と地域偏在の解消を目的に設置し、市全域で支援体制の構築を目指すとしている。
 
 市東部療育センター開設準備室によると、西区三橋の障害児総合療育施設(ひまわり学園)が1983年4月、桜区田島の療育センターさくら草が2007年4月に開設され、障害児らの早期発見、障害に応じた早期療育、家族への支援を行っている。

 子どもの特性などを調査するため、初診までに時間を要するという。22年度は約千件の受診があり、初診待ちは57日だった。ひなぎくの開設により、市は25年度の目標として、初診待ちを30日に短縮するとしている。既存の2カ所が市の西側に位置していることから、東側に新設することで、地域偏在を解消して通院への負担軽減も目指す。

 13年度の受診約850件のうち、発達障害は約86%。22年度の約千件のうち、発達障害は約96%に上り、増加傾向にあるという。市は早期発見、早期療育が重要とし、民営の児童発達支援センターなどとも連携を図る。清水勇人市長は17日の定例会見で、「不安を感じている家族に寄り添いながら、子どもたちの健やかな成長のさらなる支援につなげていきたい」と述べた。

 ひなぎくに常駐するのは、医師1人、看護師2人、理学療法士2人、作業療法士1人、言語聴覚士1人、心理士1人、ケースワーカー2人の専門職や事務職員ら計13人。

 施設は岩槻区府内1の8の1、岩槻区役所別館(旧岩槻区保健センター)。診療時間は平日午前9時~正午、午後1時~同5時の予約制。診療科目は小児科、整形外科、リハビリテーション科。外来療育は理学療法、作業療法、言語聴覚療法、心理士による発達支援などを担う。
 

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