埼玉新聞

 

<高校サッカー>昌平、後半に攻撃力発揮 正智深谷に4―1 問題点を改善、攻撃の厚み一気に増す

  • 昌平―正智深谷 前半7分、先制点となる直接FKを決めた昌平・須藤(右)が柴と喜ぶ

  • 準々決勝以降の組み合わせ

 (第6日、6日・浦和駒場スタジアム=埼玉新聞社など後援)

 準決勝を行い、昌平と武蔵越生がそれぞれ勝って決勝へ駒を進めた。決勝進出は昌平が4年連続5度目で武蔵越生は初。

 昌平は正智深谷に4―1で快勝した。前半7分に須藤のFKがそのまま吸い込まれ先制すると、1―1とされた後半21分にはこぼれ球を須藤が蹴り込み勝ち越し。その後、小見が2本のPKを確実に決めて突き放した。

 武蔵越生は1―1からのPK戦で西武台を下した。0―0の後半27分、途中出場の渡辺の右足ミドルシュートで先制。同35分に追い付かれたものの、粘り強い守備でPK戦に持ち込むと、GK関根が相手の3人目を止めるなど4―2で制した。

 決勝は15日に行われ、2年連続4度目の制覇を狙う昌平と初優勝を懸ける武蔵越生が激突する。

■後半にギア上げ振り切る

 後半にギアを上げた昌平が4得点で正智深谷を振り切った。

 昌平は前半7分に須藤のFKが直接ネットを揺らして先制。1―1の後半21分に本間の右クロスを相手GKがはじき、こぼれ球に須藤が詰めて勝ち越した。同27分、同ロスタイムと小見がPKを決めて突き放した。正智深谷は前半の勢いを維持できず、後半はシュート1本にとどまった。

■4年連続の決勝進出/昌平

 後半に本来の攻撃力を発揮した昌平が正智深谷を退け、4年連続の決勝に駒を進めた。

 正智深谷のプレスに手を焼いた前半は苦しい流れの中でもエース小見が前線で起点をつくると、7分に左サイドで獲得したFKを須藤が決めて先制。これで勢いづくかと思えたが、その後は決め手を欠いて同26分に同点ゴールを浴びた。

 セカンドボールをことごとく回収されていた問題点を改善するため、藤島監督はハーフタイムに右MFで先発していた平原をボランチの位置に移動。中盤の安定感が増して小沢、本間の両サイドバックが高く位置取るようになると、一気に攻撃の厚みが増した。

 後半21分の決勝点は右サイドバック本間から。鋭いクロスを相手GKがはじき、こぼれ球に須藤が詰めた。本間は「(平原)隆暉からいいボールが来た。速いボールを入れれば何か起こると思った」と狙いが的中した得点シーンを回想した。

 2―1となった後は、細かいパスワークで相手を圧倒するスタイルの一端をのぞかせたが、須藤は「きょうの内容に誰一人満足していない。昌平らしい楽しいサッカーを見せたい」と本来の姿に程遠かった一戦を厳しく自己採点した。

 強豪校の包囲網をくぐり抜け、「チームの士気は高まっている」と藤島監督。2連覇へ大きなヤマを越えた。

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