埼玉新聞

 

<新型コロナ>観光客が戻り始めて…観光地、GoTo継続に期待 感染者急増、戸惑いのぞく

  • 観光客の姿も見え始めた菓子屋横丁=5月30日午後2時半ごろ、川越市

 菅義偉首相は13日、新型コロナウイルスの国内新規感染者数が12日に過去最多を記録したことに関し、観光業や飲食業を支援する「Go To キャンペーン」の見直しや緊急事態宣言の発出に慎重な考えを示した。「専門家が現時点ではそのような状況にはないとの認識を示している」と官邸で記者団に述べた。新規感染者数については「増加傾向が顕著になっている」と指摘。政府は感染症対策の司令塔機能を強化するため、内閣官房に感染症対策官を新設する方向で検討に入った。

 国の観光支援事業「GoToトラベル」について、埼玉県長瀞町長瀞で老舗旅館「長生館」を営む小埜和也常務(44)は「少しでも長くやってもらえれば」と期待を込める。

 町内は現在、紅葉が見頃を迎えており、連日満室が続いている。今年は団体客が動いておらず、個人客が「GoToトラベル」を利用。宿泊は昨年より好調だが、日帰りのバスツアーの利用がないため、全体的にみると、昨年の売り上げには及ばないという。

 小埜常務は「GoToがなくなれば、商売が続かなくなる。できるだけ長く続けてほしい」と話していた。

 川越市の観光スポット「菓子屋横丁」の土産店主は、「GoToトラベルのクーポンを持ったお客さんも見られるようになった。観光客が戻り始めており、観光支援事業は継続してほしい」と求めた。

 9月の連休以降、川越を訪れる観光客が徐々に増え出したように感じるという。「小中学生が校外学習に訪れたりして、感染者が急増しているというニュースと体感的なギャップを感じる」と戸惑いものぞかせた。

ツイート シェア シェア