<新型コロナ>さいたま市、小学生の感染急増 濃厚接触で検査受けた小学生は300人、中学生は270人
全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、埼玉県さいたま市内で今月に入り、児童生徒の感染が急増している。特に小学生は18人で、学校内の感染とみられる事例も3校で8人明らかになった。市教育委員会は「危機感を持って対応する」として、感染防止の徹底を各学校に求めている。
市教委や市保健所によると、24日までに感染が判明したのは小学生32人、中学生17人の計49人。高校生と特別支援学校生に感染者は出ていない。小学生の感染は11月に入ってから18人と急増し、3週間ほどで10月までの感染者数14人を上回った。多くは家庭内感染とみられるが、3小学校で計8人が学校内の感染とみられている。
市教委の担当者は「全国的な感染増加に伴って、市内の学校でも感染が増えていると認識している。危機感を持っている」と話した。市教委は文部科学省のマニュアルを参考に、学校教育活動実施マニュアルを策定。これまでに4回改訂して、各学校に周知した。担当者は「マニュアルに基づき、距離を取って3密の防止、マスク着用、手指消毒などを今後も徹底していくしかない」としている。
児童生徒の感染に伴う臨時休校は23日までに小学校13校、中学校6校で、期間は1~4日間だった。濃厚接触者などと判断されて検査を受けたのは小学生約300人、中学生約270人。濃厚接触者などと判断された場合は、市保健所の指導に基づいて2週間を目安に、不利益とならない出席停止の扱いとなる。
出席停止となる児童生徒への学習保障について、市教委指導1課は「1年分の動画コンテンツを作成しており、適切に対応していく」としている。動画は緊急事態宣言下での休校期間中に活用されたが、低学年には操作が難しいなどの指摘が出ていた。このため8月末に動画の授業を並行して実施し、基本的な操作を指導するように指示した。同課は「課題を出したらそのままにせず、対応している。児童生徒一人一人の学習状況を見ていきたい」と話している。
一方、市立学校に勤務する教諭の感染も11月に入り初めて確認され、23日までに男性の小学校教諭3人が陽性となった。1人は家庭内感染、1人は不明で、もう1人は不明とされる教諭の知人。別の小学校に勤務しているが、打ち合わせなどをしており、市保健所が濃厚接触者と判断して感染が確認された。