JR川口駅、上野東京ライン停車!早ければ2037年に見込まれる 必要な整備案、駅デッキ拡幅し屋根設置で費用合計420億円 内訳はホーム新設127億円、商業施設の集約建て替えなどコンコース新設224億円、現コンコース撤去31億円 今後負担は
川口市は8日、JR川口駅に現在の京浜東北線に加えて、上野東京ラインの停車へ向けた協議をJR東日本と進めると発表した。JR側から停車に向け必要な施設整備案が示された。市は今後、市民の声を聞くパブリックコメントを実施し、JR東日本と基本協定の締結を目指す。早ければ2037年中の川口駅停車が見込まれ、同日、臨時会見した奥ノ木信夫市長は「都市間競争に勝てる、選ばれるまちづくりが必要」と強調し、計画推進に期待を寄せた。
川口駅への中距離電車停車を巡っては、市は鉄道輸送力増強といった観点からこれまでに繰り返しJR側に要望を行っており、奥ノ木信夫市長は2019年11月にJR東日本本社を訪れて社長宛ての要望書を提出。22年3月には中距離電車の停車のためのホーム増設を盛り込んだ「川口駅周辺まちづくりビジョン」を策定した。同年11月には調査に関する協定をJR側と締結し、市は23年度当初予算に、中距離電車ホーム増設等調査事業として7157万円を計上していた。
JR側からは今年1月31日に報告があった。示された上野東京ライン停車に必要な施設整備案のうち、駅デッキを北側に約10メートル拡幅し屋根を設置する計画案の概算事業費は420億円。内訳はホーム新設127億円、既存の商業施設の集約建て替えを含む駅舎コンコース新設224億円、現コンコースの撤去31億円、共通工事費18億円、システム改修費20億円となっている。
市都市計画部によると、費用負担の決定事項はないものの、地方債や基金の活用や一部については国庫補助の充当を想定。市は基本協定締結へ向け、概算事業費を精査し、市が負担する範囲についてJR側と協議を進めるとしている。
想定される工期は基本協定締結後、測量・設計に2~4年程度を要し、その後、上野東京ラインのホーム供用開始までに10~12年程度を見込む。2025年に基本協定が結ばれた場合、早ければ37年中にも上野東京ラインが川口駅に停車する。
JR東日本が公表する川口駅の1日当たりの平均乗車人員は22年度が7万1354人で、県内では大宮(22万6249人)、浦和(8万4116人)に次いで3番目に多く、需要に応じた鉄道輸送力の強化が求められていた。川口駅では現在、京浜東北線のみが乗り入れており、同線が遅延、運転見合わせとなると、改札の外まで人があふれるなど、代替輸送手段の必要性も指摘されている。