埼玉新聞

 

母子殺害…母は溺死させられ、息子は刺殺 容疑で男2人逮捕、1人は息子の知人 浴槽に重ねられた母子遺体

  • 住宅から親子の遺体が見つかり、現場検証する県警の捜査員=2018年2月9日、所沢市

 2018年2月に所沢市の住宅で無職入江富美子さん(76)と次男のスクールバス運転手大崎欣孝さん(53)=いずれも当時=の遺体が見つかり、大崎さんへの殺人容疑で知人の男2人が逮捕された事件で、県警所沢署捜査本部は3日、入江さんを溺死させて殺害したとして、殺人の疑いで、所沢市旭町、アルバイトの男(56)=殺人容疑で処分保留=と、住所不定、無職の男(44)=殺人、死体遺棄、窃盗罪で起訴=を再逮捕した。県警は入江さん、大崎さんと何らかのトラブルがあったとみて、動機や経緯を詳しく調べる。

 

■発生から2年10カ月

 再逮捕容疑は共謀の上、18年2月7日から翌8日までの間、所沢市西所沢1丁目の入江さん方で、いずれかの手段方法により、入江さんを浴槽内に沈め、溺死させて殺害した疑い。県警は認否を明らかにしていない。

 捜査1課によると、56歳男は次男の大崎さんと中学校の同級生で、入江さん方に住み、身の回りの世話を手伝っていた。44歳男は56歳男の知人で、入江さん方に出入りしていた。

 入江さんと大崎さんは同月8日午後、1階の浴室で遺体で発見された。司法解剖の結果、死因は入江さんが溺死、大崎さんは肺などを刺されたことによる失血死だった。

 入江さんには目立った外傷はなかったものの、現場の状況などから浴室内で殺害されたとみられている。浴槽には水が張られており、入江さんの遺体の上に大崎さんの遺体が重ねられていた。

 県警は同月9日、捜査本部を設置し、殺人事件として捜査を開始。同月12日、大崎さんの遺体を浴室に放置したとして、死体遺棄容疑で44歳男らを逮捕した。

 19年7月1日には、大崎さんに対する殺人容疑で、両容疑者を再逮捕。さいたま地検は同月23日、44歳男を殺人罪で起訴した。56歳男は処分保留となっている。

 44歳男は大崎さんへの死体遺棄罪のほか、入江さんのキャッシュカードを不正使用し、現金約57万円を引き出すなどしたとして、窃盗罪でも起訴されている。

 県警は入江さんの殺害についても捜査を継続。押収した証拠品の調べや複数の専門家から意見を聴くなどして、発生から約2年10カ月後の再逮捕に踏み切った。

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