埼玉新聞

 

<新型コロナ>体力の限界…居酒屋、すし店など苦境 繁忙期の年末年始に売り上げ激減 焼き肉店など回復か

  • 飲食業倒産、最多更新へ 埼玉の飲食店も年末年始直撃

 2020年の飲食業の倒産件数(負債額1千万円以上)が過去最多を更新する見通しとなったことが7日、分かった。東京商工リサーチによると、1~11月は前年同期比8・0%増の792件で、これまでの最多だった11年の800件を上回るのはほぼ確実。新型コロナウイルス流行による緊急事態宣言に加え、宣言解除後も客足が戻らずに資金繰りに行き詰まる例が多いためだ。埼玉での飲食業の倒産は19件で、前年同期比で1件の増加となった。

■「年末年始、直撃も」県内

 東京商工リサーチ埼玉支店によると、埼玉県内の飲食業は緊急事態宣言が出された4~5月を底に、厳しいながらも少しずつ客足が戻り、売り上げが回復傾向となっていた。政府の需要喚起策「Go To イート」の効果も出始めていたという。ただ、全体の水準を上回るのは焼き肉など一部の業態に限られ、大人数の利用を受け入れる居酒屋などは厳しい状況が続いていると指摘する。

 11月に入り新型コロナの感染が再拡大。同中旬ごろから第3波の懸念が強まったこともあり、来店客が減少したとの声が急増しているという。

 同支店が県内企業に行った忘新年会の開催調査では「昨年度は行ったが本年度は中止」との回答が7割弱で、開催は1割弱だった。

 県内では酒類を提供する一部地域の飲食店を対象に、営業時間の短縮が要請された。同支店の担当者は「年間でも最大の繁忙期である年末年始の需要の激減が、飲食店の経営に直撃する危険性が少なくない」と指摘。今後については「既にコロナの影響が直撃し経営体力が乏しい飲食店は体力的に限界が近づいている。手元資金不足と先行きの不透明さから、事業を諦める店舗が増えるのではないか」と展望する。

 業態的には、居酒屋やすし店などで廃業や倒産が県内でも出ていると指摘した。

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