埼玉新聞

 

<新型コロナ>埼玉の累計陽性者、1万人超 急速な感染拡大続く 大野知事「強いお願いする可能性も」

  • 埼玉県内コロナ感染者の推移

 埼玉県内で11日、1日当たりでは過去2番目に多い185人の新型コロナウイルス新規感染者が確認され、累計で陽性者数が1万人を超えた。10日には過去最多の188人の新規感染者が確認されるなど、「第3波」とされる急速な感染拡大が続いている。大野元裕知事は11日、記者団に対し「危機的な状況が続いており、極めて憂慮している。これまでお願いしている感染対策について可能な限りしっかり対応していただきたい」と手洗いやマスクの着用、3密(密閉、密集、密接)回避など、県民に感染防止策を徹底するよう呼び掛けた。

 新型コロナは、県内では2月1日に中国・武漢市からのチャーター機で帰国した男性の感染が初めて確認されて以降、累積陽性者数は3月31日に100人、4月15日に500人、5月28日に千人を超えた。その後、しばらく感染が抑えられていたが、8月12日に3千人、10月10日に5千人、11月26日には8千人を突破。12月5~11日までの1週間は各地でクラスター(感染者集団)が確認されるなど、累計1111人、1日当たりの平均159人となり、非常に高い水準で推移している。

 県内の現在の患者受け入れ可能病床数は1211床(うち重症105床)。10日午後9時時点で623人(うち重症30人)が入院治療している。軽症・無症状者向けの宿泊療養施設(ホテル)は県内6カ所、711室が稼働しており、同日午後9時時点で268人が療養している。自宅療養者は582人、188人が入院調整中。また、大野知事は11日、宿泊療養施設として、嵐山町の国立女性教育会館(99室)の開設へ向けた調整を行っていることも明らかにした。

 県は1日から、新型コロナウイルスとインフルエンザの両方を診療できる「県指定診療・検査医療機関」を県ホームページ(HP)で公開し、発熱患者が身近なかかりつけ医で受診できる体制を整えたほか、受診を迷う人向けの相談窓口として、県受診・相談センターを開設し、年末年始は不休で電話相談に当たる。また、県医師会と協力し、年末年始の診療・検査体制を今月中旬までに構築できるよう、協議を進めている。

 大野知事は「可能な限り経済、社会活動と感染防止対策を両立させるのが埼玉県のポリシー。年末年始に向け、もしかするともう少し強いお願いをする可能性もある」と述べた。

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