埼玉新聞

 

“最後”の学校生活、みんなで作戦会議 2025年度末で閉校の皆野高、地域一帯でのプロジェクトが始動

  • 地域連携行事の実現に向け、グループで意見交換する「みんなの高校会議」参加者=20日午後、埼玉県皆野町大渕のみなのLABO

    地域連携行事の実現に向け、グループで意見交換する「みんなの高校会議」参加者=20日午後、埼玉県皆野町大渕のみなのLABO

  • 地域連携行事の実現に向け、グループで意見交換する「みんなの高校会議」参加者=20日午後、埼玉県皆野町大渕のみなのLABO

 2026年度の学校統合により、創立60年の歴史に幕を下ろす埼玉県皆野町大渕の県立皆野高校(浅見和義校長、生徒数77人)。昨年4月の入学生を最後に生徒募集は行われず、来年度からは1学年分ずつ生徒・教員数が減少していく。残りの学校行事を地域連携で充実させて、生徒の成長につなげようと、学校、地域、役場関係者によるプロジェクトが動き出した。

 「第1回みんなの高校会議」が20日、ワーケーション施設みなのLABO(同町大渕)で開かれ、学校や町職員、地元事業者、町民ら計40人が参加した。会議資料は、同校生徒と教員が協力して制作。体育祭や文化祭といった恒例行事のほか、地域ボランティア、地元小中学生との交流会、芸術鑑賞会など、地域一帯で楽しめる学校行事のアイデアが詰め込まれている。

 会議参加者は、生徒たちのアイデアを実行するに当たり、浮き彫りになってくる課題の解決法や、町役場との連携法などを計7班のグループに分かれて協議し、来年度以降の企画実現に向けた具体的な手立てを話し合った。

 大渕地区住民の代表として参加した波田悟さん(67)は「年々生徒数が減ってしまっていたので、改めて少子化を実感する。皆野高の生徒はさまざまな取り組みで地域活性化に貢献してくれているので、町一体で盛り上がれる企画を成功させたい」と意気込んだ。

 25年度、同校の生徒数は1学年29人のみになる。浅見校長は「皆高アンカー世代の生徒たちが、この学校に入学して良かったと思ってもらえるように、地域の方々の力を借りて、人と人とが関われる機会をたくさん提供していきたい」と話していた。
 

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