野生フクロウ、鳥インフル陽性…ときがわ 野鳥の陽性は関東初 10キロ圏内に養鶏業者など31戸34農場
2020/12/25/00:00
埼玉県は24日、ときがわ町日影で見つかった野生のフクロウ1羽の死骸を簡易検査した結果、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。野鳥から鳥インフルエンザウイルスが発生するのは関東地方では初めて。環境省が確定検査し、1週間ほどで高病原性かどうかなどが判明する見込み。
県によると、23日午前、同町雀川砂防ダム公園の山林でゴミ拾いなどをしていた住民の男性がフクロウの死骸を発見し、ときがわ町役場に届けた。同日午後、東松山環境管理事務所が回収し、24日に県鳥獣保護センター(川越市)で簡易検査を実施したところ、陽性と確認された。
環境省は同日、発生地の周辺10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定。10キロ圏内には養鶏業者や鳥を飼育する個人が31戸34農場あるという。同区域では死亡野鳥の検査強化や巡視、域内の16市町村への注意喚起などが行われる。
全国では24日に確認された千葉県いすみ市を含め、鳥インフルエンザは13県で32事例確認された。県は「渡り鳥など野鳥が多いため池周辺で発生している」として、ため池周辺の家禽(かきん)を扱う県内147農場に野鳥などの侵入防止対策について指導を行った。
県内では2005年に鴻巣市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、ニワトリ約9万8千羽が殺処分された。