埼玉新聞

 

主人公や時代背景を熱く語る 高校生が東松山で書評合戦 観覧者が投票、一番読みたくなった本は

  • 「ビブリオバトル」に参加」した高校生。右から3人目がチャンプ本の「さよなら神様」を紹介した赤羽菜々さん=東松山市立図書館

 埼玉県の東松山市立図書館で高校生対象の「ビブリオバトル(書評合戦)」が行われ、県立松山女子高校2年の赤羽菜々さん(16)が紹介した「さよなら神様」(麻耶雄嵩著、文芸春秋)が、チャンプ本に選ばれた。

 活字離れが進む中、「本に親しんでもらおう」と企画された。「ティーンズおすすめの1冊」をテーマにバトラー(紹介者)を募集。市内の県立松山高、松山女子高、私立東京農業大学第三高の生徒6人が参加した。

 バトラーは順番に5分間、各自のお薦め本について、作者、粗筋、主人公、展開、文章、時代背景などの魅力を熱く語った。発表後、「読んで変わったことは」「なぜこの本を発表したのか」「感情移入した人は」などと、観覧者による質問タイムも設けた。

 発表終了後、観覧者が「一番読みたくなった本」に投票した結果、赤羽さん紹介の「さよなら神様」が最多票を獲得した。「チャンプ本に選ばるとは思っていなかったので、すごくうれしいです」と笑みを浮かべる。

 同書は探偵団の頭脳明晰(めいせき)の小学生が主人公。赤羽さんは中学生の時、姉に薦められ読んだ。「スリルと心理戦」が面白く、すでに十数回読んでおり、「この本の魅力を伝えたかった」という。

 赤羽さんは毎月、3冊以上の本を読み、「本は知識だけではなく、感受性も豊かになる。これからも読み続けたい」と語った。

 小柳直樹館長は「いずれも力のこもった素晴らしい発表でした。発表本は図書館で紹介したいと思います」と話していた。

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