母事故、医師「あと4時間の命」…結婚2年目の28歳、突然の宣告 それでも大手術を乗り越え、奇跡の生還 さらに無事出産 足動かず車いす、右手握力を失うも育児奮闘 夫や父母もサポート、感じた幸せ 娘は今17歳の高校生に
2024/03/06/12:42
加須市観光大使で、「ママの足は車イス」の著者、又野亜希子さん(48)が2日、同市北川辺文化・学習センターみのりの多目的ホールで「命の輝き~車イスから見える世界ってけっこうステキ~」と題して講演した。笑顔で生きる喜びを語った。
講演会は、同市北川辺地域人権教育研修会が開催した。又野さんは同市出身で、元幼稚園教諭で保育士。車いすで家事や子育てをしながら、執筆活動や、全国各地で実体験に基づいた講演活動、県家庭教育アドバイザーとしての子育て支援活動を行っている。
「私は2002年、26歳の時に結婚。28歳の時、通勤途中に出合い頭の交通事故に遭い、首の骨4本を折る頸髄(けいずい)損傷の重傷を負った。医師から『あと4時間の命』と言われたが、大手術によって奇跡的に一命を取りとめた。しかし、足は動かず、車いすになった。右手の握力もなくなった」と紹介した。
2006年に長女が誕生。不自由ながら子育てに追われるも、生きることに前向きになった。「夫や父母に手伝ってもらっての家事や子育て。いろいろ大変だったが、いまでは娘も17歳の高校生。家族で笑顔で食卓を囲めることに幸せを感じている」とも。
家は一戸建てのバリアフリー。「広いが、自分でできることが喜びになってきた。家事は楽しい。人の役に立てることを幸せに思う。かつて一緒にリハビリをした仲間とも外で会う機会が増えた。挑戦することが大事。母と全国各地に行く講演や、保育士の仕事も楽しい」と紹介した。
国などが「共生社会」を掲げているのも歓迎する。「障害者に対する理解が広がり、生きやすくなった。私は電動車いすでどこでも行けちゃうタイプ。たくさんの人の優しさを感じる。助けがさらに広がってほしい」と期待した。