埼玉新聞

 

<新型コロナ>ストレス高まったか…DV相談が増加 親や同居人からDV受ける単身女性、行く場所もなく

  • DV相談、埼玉5144件 緊急事態宣言下で急増

 埼玉県男女共同参画課によると、2020年4~11月の県内のドメスティックバイオレンス(DV)相談件数は5144件で、前年同期から15・2%増加した。同課の担当者は「前回の緊急事態宣言が出た4月ごろは約3割増と急増したが、その後は少し落ち着いている。宣言や休業により在宅時間が長くなり、ストレスが高まった影響があると考えられる」と説明した。

 19年度は6473件で、全国では6番目の多さだった。

 県内自治体で相談業務を行う70代ボランティア女性は「もともとのDVがコロナ禍で深刻化し、以前より相談の予約が埋まるようになった。休業で加害者が家にいて電話しにくい場合や、電話だけで状況を伝えられない場合があり、面談の希望者が多い」と話す。また「親や同居人からDVを受ける単身女性は配偶者暴力防止法の対象にならず、行く場所もない。障害などで仕事が長続きしない場合はさらに困難になる」とし、若者による民間支援団体立ち上げを行政が支援する必要性を指摘した。

 県は婦人相談センター(電話#8008または048・863・6060)や男性も相談できる男女共同参画推進センター(With Youさいたま、電話048・600・3800)などの窓口を設けており、国や市町村も電話相談を実施している。

ツイート シェア シェア