皮革リボン、一生の宝物 草加・谷塚小6年生が製作、卒業式で着用 思い思い8色、イニシャルやメッセージ
2024/03/15/20:31
せんべい、浴衣と並び草加三大地場産業の皮革を使い、卒業式で胸に着けるリボン作りが13日、草加市立谷塚小学校で行われた。6年生が皮革に自分のイニシャルやメッセージを刻印し、間もなく迎える卒業式に期待を膨らませた。
昨年秋ごろ、同校の菅野光三校長が「草加の皮革を使って卒業式に何かできないか」と市産業振興課に相談。同課が市内の皮革業者が加入する「そうか革職人会」に話を持ちかけ、今回の取り組みが実現した。
使用する皮革はカバンやベルトなどの製造工程で出た端材。大きさはおよそ長さ24センチ、幅1・5センチ、厚さ2ミリ。
児童は8色の皮革の中から好きな色を選択。次に数字やアルファベットの書かれた突起上の型紙を皮革と合わせ、そこに棒状の木を当てて、上からハンマーでたたいて刻印した。
刻印は自分のイニシャルや誕生日、メッセージ、イラストなどさまざま。卒業式を思い描きながら、児童は真剣な表情で取り組んだ。
皮革はこの後、革職人の手で金具や安全ピンが取り付けられ、リボン形に成型される。6年生は3月25日の卒業式で胸に着けて臨む。リボンだけでなく、中学校生活でキーホルダーやアクセサリーとしても活用できる。
自分の名前をデザインした木村海斗さん(12)は「力加減や文字のバランスが難しかったが、上手にできた」と満足そうな表情。荒井結羽さん(12)は「小学校生活の思い出と同時に一生の宝物になりそう。先生方や革職人の皆さんに感謝したい」と笑顔を見せた。
菅野校長は「草加の皮革を身近に感じてもらい、生涯残る品になればうれしい。今後も継続していけたら」と話していた。