<大栄翔初優勝>埼玉出身力士で初制覇 埼玉栄高の恩師、声弾ませエール「けがなく大関目指して」
大相撲初場所千秋楽は24日、東京都墨田区の両国国技館で行われ、西前頭筆頭の大栄翔(27)=本名高西勇人、埼玉県朝霞市出身、埼玉栄高出、追手風部屋=が隠岐の海を突き出し、13勝2敗で初優勝した。埼玉県出身力士としても初の制覇。初場所では2016年から6年連続で初優勝者が誕生した。
■「本当にうれしい」/埼玉栄高相撲部・山田監督
大栄翔は埼玉栄高校(さいたま市西区)で青春時代を過ごし、心身ともに基礎を築いた。同高の卒業生としては、元大関豪栄道(現武隈親方)、大関貴景勝に次いで3人目となる幕内優勝力士が誕生。恩師で相撲部の山田道紀監督は、「本当にうれしい。感激した」と声を弾ませた。
千秋楽の取組は、学校に近い相撲部の寮で部員たちの夕食を作りながらテレビ中継を見守った。前日23日には大栄翔と電話で話し、「緊張していてもしょうがない。執念深く勝負に立ち向かえ。感謝の気持ちを忘れるな」とアドバイス。「ここまできたから、腹をくくっていた様子だった」と振り返る。優勝を決めた一番については、「最高の内容。埼玉県出身、そして埼玉栄のプライドを示してくれた」と賛辞を惜しまない。
山田監督は高校時代の教え子を「初めは弱かったが、我慢強く辛抱した」と評する。朝霞一中時代は全国中学大会で、目立った実績はなかった。だが、高校相撲界の強豪で努力を重ねると、3年生だった2011年の全国高校総体で個人3位、団体はチームの準優勝に貢献。同年の山口国体では少年男子団体で準優勝と、大きく成長した。大栄翔は早く親孝行したいとの思いから大学には進まず、角界入りを決意。高校卒業直前の12年1月の初場所で初土俵を踏んだ。
来場所はライバルたちのマークも厳しくなる。山田監督は「優勝したことで考え方も変わってくる。けがをしないで、大関を目指してもらいたい」と、さらなる飛躍を期待し、エールを送った。