副町長→町長の職務代理→町長に…皆野町長に黒沢栄則氏、埼玉県最年少の50歳町長「全力で改革取り組む」
無所属新人同士の一騎打ちとなった埼玉県皆野町長選は24日投開票され、元副町長の黒沢栄則氏(50)が、大差で元町議会議員の小杉修一氏(67)を退け、初当選を果たした。黒沢氏は今月8日付で副町長を退職し、町長選に初出馬。4日間計59回の街頭演説を通して、人口減少・少子高齢化の壁に本腰を入れて立ち向かう姿勢を貫いた。県町村会によると、現職町長としては県内最年少。町民は、若いリーダーに町政運営のかじ取りを託した。
24日午後9時半過ぎ、皆野町皆野の黒沢氏の選挙事務所に当選確実の知らせが伝わると、集まった支持者から盛大な拍手と歓声が湧き起こった。黒沢氏は「何もかもが未経験の選挙戦だったが、道行く方々が温かい声援を送ってくれて、『町を良くしたい』という思いがより高まった。町の営業マンとして、全力で改革に取り組んでいく」と、喜びに声を震わせながら、決意を新たにした。
黒沢氏は、町職員を経て2022年6月に副町長に就任。体調不良により休職した前町長の職務代理を計2カ月間務めた。職務代理者と副町長の経験を通じて、「町を変えられるのは、選挙で勝ち抜いた町長の立場でなければ、できない」と実感。前町長が辞職を表明した後、「町の未来を変えたい」という思いが高まったという。
選挙期間中は、「行政と議会は車の両輪。議会には経験豊富なベテラン議員がそろっているので、もう一方の車輪は若い力が必要」と強く訴え、幅広い世代の支持固めに奔走した。
今月1日現在の町内人口は9027人。国立社会保障・人口問題研究所によると、同町の2030年の人口予想は7831人、高齢化率は42・7%と推計される。黒沢氏は「まずは、地元企業をしっかり支援して働く場を確保し、巣立った子どもたちが町に戻って来られるような施策で人口減少に立ち向かっていく」と力強く語った。