いつでも、いつまでも…「コルソ」の意味を形に 「昭和レトロ」な浦和コルソ、壁面デザインを一新
創業50周年に向け館内のリニューアルを進めている浦和コルソ(埼玉県さいたま市浦和区)は、1階と地下を結ぶ階段の壁面デザインを一新した。CI(コーポレート・アイデンティティ)カラーの青と緑を基調にした幾何学的な図柄で、コルソというイタリア語が意味する「道」を表現している。運営する浦和商業開発の細渕俊夫代表取締役社長は「昭和レトロ的な雰囲気と新しいコンセプトの融合を目指す、浦和コルソを象徴するような場所にしたい」と語る。
リニューアルしたのは1階の郵便局側入り口を入り、店内のコルソ通りから地下へ下りる階段の壁面。地下通路を通り浦和駅へ抜けられるため人通りも多いが、40年以上も手つかずで壁の色はくすみ、懸案の箇所となっていた。
新デザインは縦横に走る黒の直線とコルソのCIカラーの青と緑、それに赤やグレーで幾何学的な模様を作り出している。担当したデザイナーの金井裕之さんはオランダの抽象画家、ピエト・モンドリアンの作品をイメージした。「イタリア語のコルソが意味する道や人の流れがテーマ」と制作意図を説明する。
金井さんが当初提示した図案の中には、ステンレス素材を使ったモダンなデザインや環境系の緑化装飾もあった。若手社員はこうしたデザインを選んだが、細渕社長が「これがいい」と決断した。
旧浦和市が1978年から手掛けた再開発事業で誕生したコルソ。核テナントに伊勢丹を誘致しながら、浦和駅西口周辺にあった多数の商店を権利者店舗として収容したため「昭和レトロ的な雰囲気」(細渕社長)も残る。
地元の祭りや清掃活動にも積極的に参加するなど「地域色」を強みとする一方、南高砂地区に建設予定の500戸超の大型マンションに入居する新住民への対応も不可欠。細渕社長は「今の時代に合った新しい店舗も入れ、融合させていかなければ」と話す。
新デザインの中に利用者の「居場所」を示すシールを貼ってもらう企画も検討中。4月からは新キャッチフレーズ「いつでもコルソ、いつまでもコルソ」を打ち出す。昔ながらの色を残しつつ、新しさも大胆に取り入れていく浦和コルソ。7年後には創業50周年を迎える。