埼玉新聞

 

19年前半の県内首長選展望 6月までに7市町、3市町で無投票か 無投票や投票率低下も懸念

  • 今年前半の県内首長選

 2019年は県内10市町の首長が任期満了を迎える。そのうち統一地方選として行われる4月21日投開票の3市町を含む7市町で、6月までに首長選が実施される。各自治体とも地域経済の停滞や少子高齢化などの課題を抱える一方、無投票当選や投票率の低下が危惧される。7市町の首長選を展望する。

 皮切りとなる横瀬町と川島町は1月15日告示、20日投開票。

■横瀬町

 現職の富田能成氏(53)が昨年の9月議会で再選を目指して出馬する意向を表明。ほかに擁立の動きは見られない。昨年12月に行われた立候補予定者説明会に参加したのも現職陣営のみで、無投票となる公算が大きい。無投票になれば2007年以来で12年ぶりとなる。

■川島町

 現職の飯島和夫氏(70)が昨年の9月議会で再選を目指して出馬を表明した。一般質問に対する答弁で「これまでの私の仕事ぶりを含めて、町民の皆さまの審判をいただきたい」と述べた。既に自民、公明が推薦を決定。現時点で、ほかに表立った動きはなく、無投票となる可能性が高い。

■吉川市

 現職の中原恵人氏(48)が9月議会で再選を目指して出馬表明している。元市議で新人の吉川敏幸氏(40)も出馬を表明しており、現新による一騎討ちとなる見通し。吉川氏は税金の使い道の見直しなどを訴えており、中原市政1期目への評価が問われる選挙戦となりそうだ。

■行田市

 現職の工藤正司氏(68)が昨年の9月議会で4選を目指して出馬表明した。現在のところ、ほかに目立った動きはなく、3回連続で無投票になる可能性も出ている。選挙になった場合は、人口減少対策などが争点になりそうだ。

■北本市

 現職の現王園孝昭氏(72)が昨年11月、定例記者会見で再選を目指して立候補する意向を表明した。現職市議に出馬を検討する動きがあり、選挙戦になる可能性が高くなっている。無投票による当選は1995年以降はない。

■毛呂山町

 現職の井上健次氏(59)が昨年の12月議会で、3選を目指し出馬を表明した。新人で衆院議員秘書の下田俊哉氏(65)も昨年12月、無所属で立候補する意向を表明しており、現職と新人による一騎打ちの公算が大きい。

■蕨市

 県内で唯一共産党籍を持つ首長、頼高英雄氏(55)の去就が注目されるが、まだ正式に出馬声明をしていない。前回は地元自民党が独自候補を擁立できず無投票で頼高氏が3選を決めた。地元の自民党関係者は「最後まで独自候補を諦めない」と話している。

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