埼玉新聞

 

大河ドラマの放送開始で早めに 渋沢栄一のアンドロイド、深谷・旧渋沢邸に設置 2体目はくつろぐ和服姿

  • プレ公開が始まった2体目の渋沢栄一アンドロイド=13日午前、深谷市の旧渋沢邸「中の家」

 埼玉県深谷市出身で実業家渋沢栄一の2体目のアンドロイド(人に似せたロボット)が、旧渋沢邸「中の家(なかんち)」=同市血洗島=に設置され、13日からプレ公開が始まった。この日は栄一翁の誕生日。訪れた人たちは「本人がいるみたい」と忠実に再現されたアンドロイドに驚いた。公開は12月末まで。

 2体目のアンドロイドは80歳ごろの和装姿の座位で全長約1メートル。栄一翁が帰郷した際、寝泊まりしていた1階奥で「上座敷」の床の間の前に座っている。背筋を伸ばし両手を膝の上に乗せながら、座布団の上でくつろいでいる。

 当初は来年の4月以降に2体目を置く予定だったが、NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の放送開始で、「中の家」への来客が増えるのが予想されるので早め、母屋の構造補強と改修工事を約1年間中断させて外観から見えるようにした。本格的な公開は2023年度中になる。

 1体目は70代の立ち姿の洋装で渋沢栄一記念館にある。2体は共に深谷市出身でドトールコーヒーの鳥羽博道名誉会長の発案、寄付を財源に製作された。

 小島進市長は「新型コロナを収束させ、もっともっと渋沢栄一先生を世に出していきたい」とあいさつした。

 北本市本宿の小学6年生長塚愛さん(12)は「本当に生きているみたい」とじっくりと観賞。母親の幸子さん(48)も「目もまぶたも動き、話し掛けたくなりますね」と見入っていた。祖父の篠塚正一さん(79)も「この家(中の家)と和服姿が合っている」と話していた。

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