埼玉新聞

 

2023年は過去最多! 目立つ道迷い、滑落、初心者の遭難も急増 登山シーズンを前に山岳救助隊員が救助訓練

  • 要救助者をストレッチャーで搬送する埼玉県警山岳救助隊員=5日午後、小鹿野町長留の山林

    要救助者をストレッチャーで搬送する埼玉県警山岳救助隊員=5日午後、小鹿野町長留の山林

  • 要救助者をストレッチャーで搬送する埼玉県警山岳救助隊員=5日午後、小鹿野町長留の山林

 埼玉県警は5日、小鹿野町長留の県秩父防災基地で捜索救助強化訓練を実施。秩父署や小鹿野署の山岳救助隊員計20人が、山岳遭難者救助の一連の流れを確認し、春の登山シーズンに備えた。

 訓練は、山林で滑落し、右足を負傷した男性登山者を救出する想定で実施。隊員たちは声の掛け合いで連携を取りながら、男性に応急手当てをほどこし、ロープとストレッチャーを使って安全な場所へ搬送した。

 訓練後、県警の坂本雅彦地域部長は「登山シーズンが始まる4、5月に遭難者が増加する傾向にある。3月から5人の新隊員が加わったので、訓練を通じて連携強化と技術向上を図り、迅速な救助活動に努めてほしい」と隊員を激励した。

 県警によると、2023年の県内の山岳遭難事故者は過去最多の94件107人。道迷い、滑落、転倒が目立っている。コロナ禍以降、登山歴1年未満の初心者による遭難事故が急増している。伊勢谷竜司県警山岳救助隊長は「登山前の準備や計画、服装選びを入念に行い、登山届の提出を徹底してほしい」と呼び掛けている。

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