埼玉新聞

 

サケの稚魚をそっと利根川に 羽生の児童ら、大切に飼育した200匹を放流「大きくなって戻ってきて」

  • コップに入れたサケの稚魚をそっと利根川に放流する児童たち=羽生市堤

 埼玉県羽生市立村君小学校(鳥海一寿校長、児童数58人)の全校児童が18日、近くの利根川にサケの稚魚約200匹を放流した。「カムバック、サーモン(戻ってきて、サケ)」と声を上げ、見送った。

 同小では、生命を慈しむ心の教育の一環で1991年から毎年、サケの稚魚の放流を行っている。校歌の4番に「サケよ大きく育ったら帰れふるさと忘れないで」とある。いつも放流時に歌っているが、コロナ禍のため、今回は歌わなかった。

 同校の蛭川千秋教諭によると、今年1月上旬に行田市の水資源機構から貴重なサケの受精卵約300粒を提供してもらい、学校で5年生が中心となって、大切に飼育してきた。稚魚約200匹が育ち、3センチほどに成長した。

 5年生の今成彩夢(あむ)さんは「自分たちで大事に育ててきた。大きくなって、また元の利根川に戻ってきてほしい」。5年生の小林永都君も「サケの成長を見守ってきた。別れるのは、ちょっとさみしい」などと話していた。

 この日は、風がやや強かったが、児童たちは元気いっぱい。口々に「カムバック、サーモン」、「大きくなって、帰って来てね」などと、サケの稚魚に声を掛けていた。

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