埼玉新聞

 

埼玉唯一の快挙!国際アワード、秩父ワインが金&銀に輝く 人気の「源作印」「GKT」が高評価 創業者・源作、2代目・慶一、3代目・辰四郎の頭文字「GKT」…先立って亡くなった慶一、源作が辰四郎に託した思い

  • サクラアワード2024で入賞した甲州シュール・リー2020とGKTを紹介する秩父ワイン従業員=小鹿野町両神薄

    サクラアワード2024で入賞した甲州シュール・リー2020とGKTを紹介する秩父ワイン従業員=小鹿野町両神薄

  • サクラアワード2024で入賞した甲州シュール・リー2020とGKTを紹介する秩父ワイン従業員=小鹿野町両神薄

 ワイン業界で活躍する女性が選ぶ国際的なワインコンクール「サクラアワード2024」(2月発表)で、小鹿野町両神薄の秩父ワインが製造した白ワイン「源作印 甲州シュール・リー2020」がゴールドを、「GKT(白)」がシルバーを受賞した。GKTは、創業者から3代目までの源作、慶一、辰四郎の頭文字をとった伝統を受け継ぐワイン。同コンクールで3年連続入賞に輝いた。

 今年のコンクールには、世界27カ国から計4023点の出品があり、430人の女性審査員がダブルゴールド、ゴールド、シルバーの総計2447点を選出した。秩父ワインは県内で唯一の受賞となった。

 ゴールドを獲得した甲州シュール・リー2020は、山梨県産ブドウを原料に醸造した果実の風味が生きた辛口ワイン。シュール・リーは、発酵後も澱(おり)を取り除かずに熟成させる醸造法で、チーズや白身魚と相性が抜群という。同社5代目社長の島田昇さん(56)は「2020年は、夏の暑さが続いた影響で、他の年度のものより果実の甘味が強い」と説明する。

 シルバーのGKTは、淡いレモンイエローの色調で、グレープフルーツのような爽やかさとハーブの香りが特徴。「源作印ブランド」を確立させた、同社創業者の浅見源作さん(1889~1985年)が商品名を付け、1975年から販売している。

 島田さんは「開発経緯は分からないが、GKTが世に出る4年前に慶一(源作の長男)が56歳で亡くなっている。先立ってしまった息子へ感謝し、孫の辰四郎に製法を託す思いが商品に込められている」と話す。源作にとって、慶一は同志のような存在だった。

 同社取締役の村田道子さんは「GKTは、ワイン漫画にも取り上げられ、源作印に次ぐ人気商品。今回、2種のワインが女性審査員から高く評価され、継承の大切さを改めて実感している」と、喜びを語った。

 甲州シュール・リー2020は税込み2750円、GKTは2090円(ともに720ミリリットル)で、店舗のほか、同社の公式サイトでも購入できる。

 問い合わせは、秩父ワイン(電話0494・79・0629)へ。
 

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