生産者から直接食材などを購入できる日本最大の産直通販サイト「食べチョク」。2023年に食べチョクを通じて販売した生産者の中で人気があった生産者を表彰する「食べチョクアワード2023」で、熊谷市村岡の西田農園が米・穀類カテゴリ1位を受賞した。同農園の西田博泰さん（51）は「有名な生産者も多くいる中で、まさか1位になるとは」と喜びを語った。

　西田さんは熊谷市出身。県立熊谷農業高校を経て、東京農業大学を卒業後、家業である農業の道へ。1999年に西田農園代表に就き、現在は計28ヘクタールでコシヒカリなどの米や小麦を栽培する。農薬を80％以上削減し、有機質肥料を使った特別栽培米作りを行い、県から環境保全型の農業に取り組む「エコファーマー」としても認定されている。

　新型コロナウイルスの影響で売り先が減少したこともあり、食べチョクを始めることに。昨年は記録的な猛暑に見舞われ、日本一の暑さで知られる熊谷でも35度以上の猛暑日が年間最多日数を13年ぶりに更新する年間45日を記録。猛暑の影響で米が白くなり、見た目が劣化する「白未熟粒」も各地で生じたが、西田農園では全部が1等米だった。

　農園では10年ほど前から土作りに特にこだわってきた。すぐに結果は出なかったものの、試行錯誤を続けてきた中で、近年は思うような土ができるようになったという。西田さんは「やっぱり土作りはすごく大事で、栄養分のある土で元気に育ってくれた」と手応えを口にする。

　食べチョクアワードはリピーター率や購入者の評価などによって選ばれるもの。購入者からの高評価は励みになっており、今年1月に東京都内で行われた表彰式では、ほかの生産者とも交流を深めることができ、大きな刺激を受けた。「これからも環境に配慮しながら、おいしく食べて元気になってもらえるお米を作っていきたい」と話した。

【メモ】西田農園　熊谷市村岡755（電話048・536・0632）。