埼玉新聞

 

高校入試、1校で時間誤り 聴覚障害ある受験生の検査時間を短く終了 受験生の保護者からの連絡で発覚

  • 字幕方式リスニング、1校で時間誤り

 埼玉県教育局は5日、2月26日に実施した2021年度県公立高校入試で、聴覚障害のある受験生1人が受験した県立高校1校で英語の学力検査時間を16分短く終了していたと発表した。再試験は行わず、当該受験生が不利にならないよう選抜を行うとしている。

 同局高校教育指導課によると、英語の学力検査はリスニングテスト13分と記述問題37分の計50分で実施。一方、聴覚障害のある受験生に対しては、音声の内容をモニターに字幕で表示するため、リスニングテストは配慮の必要がない受験生より16分長い29分、記述問題は37分の計66分確保されるはずが、当該高校ではリスニング29分と記述21分の計50分で終了していた。

 1日午後、受験生の保護者から同課に「英語のリスニングテストを字幕方式で受験したが、終了時間が他の受験生と同じだった。他の問題を回答する時間が短かったが、適切であったのか」などと連絡があり、ミスが発覚した。

 県教育委員会は字幕によるリスニングテスト終了後に記述問題を37分間実施するよう書面で伝えていたが、当該高校の校長が認識を誤ったという。字幕を用いた英語のリスニングテストは06年度入試から導入されたが、検査時間の誤りは今回が初めてという。

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