埼玉新聞

 

痴漢や強制わいせつ…女性を狙った犯罪被害の防止へ 県警がリーフレット、女子学生らの意見も取り入れ作成

  • 防犯ポスターとリーフレットをアピールする県警ヤング防犯ボランティア「クリッパーズ」の学生ら=5日午後、さいたま市浦和区の県警本部

 女性を狙った痴漢などの犯罪被害を防止しようと、埼玉県警が女性向けのリーフレットとポスターを作製した。県内の女性を対象に昨年初めて実施した意識調査の結果を踏まえ、一日の生活習慣に合わせてすぐにできる防犯対策をまとめた。

 タイトルは「女性のためのこれだけやっとこ習慣(ルーティン)」。帰宅時はドアの鍵を開ける前に周囲を確認し、就寝時は暑くても窓の鍵を閉める「鍵かけ習慣」、スマートフォンやイヤホンによる「ながら歩きをしない習慣」、帰宅途中は「明るい道を選ぶ習慣」などの重点ポイントを解説。県警防犯指導班「ひまわり」の女性警察官や、ヤング防犯ボランティア「クリッパーズ」の女子学生らの意見も取り入れた。

 県警生活安全総務課によると、昨年に県警が認知した強制わいせつ事件は275件、強制性交事件は75件だった。一方、昨年の意識調査では、痴漢などの被害に遭っても警察に届け出ない女性が約9割に上った。面倒だったり、時間がないなどの理由が多いという。

 リーフレットは1万部を作製。学校などでの防犯指導の際に活用して被害防止を呼び掛ける。ポスターは1500部を刷り、各警察署や県内の鉄道駅などに掲出する。

 クリッパーズの一員で専門学校1年の布川莉菜さん(19)は、「生活のワンシーンを切り取ったことで注意すべき点が分かりやすくなった」と高評価。同じく岡田あすかさん(21)は「かわいい防犯ブザーもあるので探してみてほしい」と防犯意識の向上を呼び掛けた。

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