埼玉新聞

 

お土産渡さず、修正動議はお灸…上尾市長が批判「前市長と元議長同様の不祥事に」 当初予算修正で再議へ

  • 上尾市役所=上尾市本町

 上尾市の畠山稔市長は3月定例市議会最終日の22日、減額修正して21日に可決された19年度当初予算について、審議のやり直しを求める再議(地方自治法に基づく首長の拒否権)に付す意向を示した。同市長はまた、小林守利議長から「修正動議はお灸(きゅう)」「政治は駆け引き。お土産をあげ、お土産を渡す。それが政治だ」と言われたと本会議で語り、「私がお土産(議長の要求)を渡さなかったので、予算修正という形でお灸を据えられた。それが政治なのか」と批判した。上尾市議会で再議が行使されるのは初めて。本年度中に臨時議会を招集する予定。

 畠山市長は「お土産」について、小林議長が昨年5月、市長室を訪れ、契約解除に伴う請負業者への損害賠償をめぐり、「私が話をつける。賠償金として5~6億円必要だ」「私が上尾駅前にビルを建てるべきと言っていたのに無視された。コケにされている」と話したことも明らかにした。

 畠山市長は「このままでは、(前市長と元議長が逮捕された)同様の不祥事が再び起きる」とし、「お土産が介在する調整は行わない。日の当たる道を進む」と断言した。

 小林議長は取材に対し「考えがまとまらない。今は何も言えない。時が解決する」と話した。

 21日早朝に可決した修正予算で減額されたのは、公共施設マネジメント推進事業費や図書館本館改修事業費など。市は老朽化したコミュニティセンターや図書館などの改修に伴い、一部機能を民間施設へ一時移転するため予算計上していた。

 しかし、最大会派新政クラブと公明は「民間施設を移転先として活用する案は緊急性や必然性がない」と主張。図書館本館の改修についても「設計委託料など市民への説明が不足している」と懸念を示し、一般会計予算を654億から650億9千万円に減額する修正案を提出し、可決した。

■再議

 首長が議会の決定に異議がある場合、10日以内に審議のやり直しを求めること。地方自治法176条3項に規定。予算に関する議決の再議は、再可決に3分の2以上の賛成が必要。

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