埼玉新聞

 

<埼玉西武だより>変わりゆくスタジアム(1)パ・リーグ最古の本拠地、衝撃の球場誕生 広大で深い緑

  • 西武ライオンズ球場(球団提供)

 1979年、景観豊かな狭山自然公園の一角に誕生した「西武ライオンズ球場」。パ・リーグの本拠地では最も古い歴史を持つ。そして今月、ついに2018年から実施してきた大規模改修が終了。43年の歴史の中で変化してきた“その姿”を皆さんと共に振り返っていきたい。

 「外野席の芝生の向こうに緑が広がっている自然を感じることができる球場。好きなところですね」と話すのは松沼博久氏。同年の4月16日、西武ライオンズ球場で初めての勝利をもたらし、チーム内の最多勝にも輝いたライオンズのゴールデンルーキーだ。

 西武ライオンズ創設1年目のルーキー。球団、球場と、“同期”として歩んできた「兄やん」こと松沼氏だが、初めてこの地に足を踏み入れた時の衝撃が頭から離れないという。「素晴らしい球場ができた、と。また当時のパ・リーグの球場の中では広かった」

 松沼氏が話す通り、この球場の最大の特徴が広大で深い緑。実は、1978年、新たな球場を建設する際、埼玉県から提案されたのが「自然との共存ができる球場」だった。66年に、「首都圏近郊緑地保全法」が定められ、「それに沿うような『自然的な球場』で(建設を)お願いしたい」という要望の下、この球場の形が誕生したという経緯がある。

 現在は解説者としてたびたびメットライフドームに訪れる松沼氏だが、「今でも駅から球場に向かう流れは変わらない。ドームになって大きな変化がありましたが、ずっとこの場所にあり続けていますから」と面影を残しながらの変化に目を細めた。

 昭和、平成、令和とまたがり現存するパ・リーグ唯一の球場。そのグランドオープンを創設当初から知るレジェンドも心待ちにしている。(埼玉西武ライオンズ広報部)

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