トラブル起こした前幸手市長、女性職員を飲食に誘う…市が職員処分、退職へ 不誠実だ…市が処分取り消す
2021/03/25/00:00
埼玉県幸手市で20代の元職員女性が懲戒処分を不服として市に審査請求した問題で、市公平委員会は24日までに、元職員への戒告処分を取り消すと裁決した。裁決は23日付。
元職員は2019年8月、前市長の随行で広島市の平和記念式典に中学生と参加。前市長は深夜に繁華街でトラブルを起こし辞職した。元職員は、前市長がトラブルを起こす前に秘書課長に誘われ飲食を伴う「反省会」に参加しており、市は同年10月、中学生の安全管理を怠ったとして元職員を戒告処分にした。元職員は同12月、処分を不服として、審査請求を申請したが、その後、庁内で仕事がしづらくなったとして退職した。
審理で元職員は「反省会は勤務時間外にホテル近くの飲食店で開かれ、中学生のそばにいた別の引率教員とすぐ連絡を取れるようにしていた」と主張。反省会は毎年行われ、過去に参加した職員は処分を受けたことがないと、処分取り消しを求めていた。
委員会は裁決書で、指揮監督すべき前市長が元職員を反省会に誘い飲食を許容していたにもかかわらず処分したと結論付け、「(処分が)信義に従い誠実に行われているとはいえない。裁量権を逸脱濫用した」とした。
元職員は「裁決は納得できる内容でうれしい。幸手市には今後このような処分を出さないよう気を付けてほしい」とコメントした。
木村純夫市長は「委員会の決定を踏まえ適正に対応したい。今後も市、市職員が市民から不信感を抱かれないよう綱紀粛正に努めたい」としている。