保護者ら涙 埼玉・熊谷の小学校、卒業式会場でサプライズ動画 6年生らが親にメッセージ「世界一大好き」
埼玉県の熊谷市立熊谷西小学校おやじ倶楽部=植原道之部長(45)=が作ったサプライズ動画(15分間)が同校の卒業式終了後、会場で上映され、出席した保護者らの涙を誘った。
動画の企画を提案した植原さんは、コロナ禍で全ての行事を断念せざるを得なかった6年生に何かしてあげたいと渋谷昌美校長先生や担任の先生と相談。6年生83人からヒアリングし、「親に感謝の気持ちを伝えたい」「親を感動させたい」との思いを動画の形にした。
制作日数は1カ月。一人一人の誕生から幼少期、卒業までの12年間を写真で振り返り、卒業式で歌えない合唱の録画も流した。「世界一大好きだよ」「長生きしてね」「これからも見守って」という親に向けたメッセージが流れると会場のあちらこちらからすすり泣く声が漏れた。
長男の崇人さん(12)を見送ったPTA会長の出井計多さんは、感無量の表情で「言葉になりません。感動しました」とおやじ倶楽部の仲間たちに感謝していた。
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一方、熊谷市立妻沼東中学校(斎藤豊校長)の3年生114人は最後の給食の日、弁当箱に家族への手紙を入れ感謝の気持ちを表した。
同校は自校式給食で毎週火曜と水曜日は四角いアルマイトの弁当箱に自宅からご飯を詰めて持参していた。その弁当箱は生徒らが小学校1年生から9年間使い続けてきたもので、傷ついたりへこんでいたりしていた。
厳しい寒さの冬は各クラスにある暖飯器で温め、お昼にはホカホカのご飯が食べられた。木村麻美さん(15)は、「お母さん、ありがとう。9年間、ほとんど残さず食べました。高校生になっても弁当を作ってください」と手紙を添えた。地元和菓子店「さわた」から提供された「ありがとう」の文字が刻印されたマドレーヌと共に家族に渡された。
斎藤校長は、「食育は大切な教育。地場産の野菜や米を給食でいただけるありがたさを子どもたちも身に染みて感じています」と話していた。