埼玉新聞

 

<川口いじめ>元男子生徒の母の訂正請求、川口市教委「訂正しない」 埼玉県教委、訂正を指導…反映されず

  • 川口市役所=埼玉県川口市青木

 埼玉県の川口市立中学在学中にいじめに遭い不登校になった元男子生徒(18)の開示請求を受けて川口市教委が開示した文書に虚偽や誤りがあるとして、元男子生徒の母、森田志歩さんが求めていた訂正請求について、市教委は2日までに「訂正しない」と決定し、生徒側に通知した。

 不訂正決定の通知書は3月30日付。森田さんは「校長が母親から『いじめを認めろ』と言われた」などとする校長側の記録など約80カ所が虚偽だとして訂正を求めていた。森田さんによると、「認めろと言われた」の部分については県教委が当時の録音音声を確認した上で事実とは違うことが分かったとして、市教委に訂正を指導していた。県教委の指導は反映されない形となった。

 森田さんは自分の名前や日付の間違いも指摘し、訂正を求めていたが、市教委の通知書では「母親の名前は請求者本人の個人情報ではないため訂正しない」などと理由を述べている。また、不訂正の理由として「その文書、記録を作成した時の市教委の認識であるため訂正しない」とした部分もあった。

 開示された記録は公文書。市の個人情報保護条例の10条は「記録は正確かつ最新のものとする」と規定されている。

 森田さんは「母の名前は本人ではないから、というのは訂正しないことの理由にならないと思う。虚偽だらけの記録を作成して何を企んでいるのか、市教委への不信感が深まるばかりだ。今後のことは弁護士と相談する」と話している。

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