黙秘のひき逃げ教頭に実刑 夜も見通し良い道 妻に「代行使った」…飲酒発覚を免れたい気持ち推認/地裁
2019/03/27/00:00
川口市の路上で昨年7月、自転車の女性を車ではねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた、草加市長栄1丁目、小学校教頭、田中嘉明被告(55)=休職中=の判決公判が26日、さいたま地裁で開かれ、加藤雅寛裁判官は懲役2年(求刑・懲役3年)を言い渡した。
判決理由で加藤裁判官は、夜間でも見通しの良い道路で、追突するまで自転車に気付かず事故を起こしたことを「わずかな時間の脇見では説明がつかない」と過失の程度は重大と指摘。帰宅後、妻に「代行を使った」などと説明したことについても「飲酒後に事故を起こしたために発覚を免れたいという気持ちが推認でき、強い非難に値する」と述べた。初公判で起訴内容を認めていた点や一定の社会的制裁が見込まれる点を考慮しても、執行猶予付き判決は相当ではないとして実刑判決を言い渡した。
田中被告は2月に行われた初公判で起訴内容を認めていたが、その後の公判では一転し黙秘していた。
判決によると、田中被告は昨年7月28日午前2時ごろ、川口市東本郷の路上で、自転車に乗っていた飲食店従業員イトウ・ジョセフィン・ラメダさん=当時(56)=を乗用車ではねて死亡させ、事故を申告しなかった。