埼玉新聞

 

<川口いじめ>元生徒の母に、市が質問「元生徒の主治医に面談で言いましたよね」→そもそも面談していない

  • さいたま地方裁判所=さいたま市浦和区高砂

 川口市の市立中学校でいじめを受け、学校や市教委の対応が不適切だったとして男子元生徒(18)が市を訴えている裁判の証人尋問で、元生徒の母親への市側の尋問に、主治医と面談していないのに、面談したと確認を求める質問があったことが15日分かった。

 14日の証人尋問で、元生徒の母親森田志歩さんに、市側は元生徒がいじめを苦に自傷行為をした2016年9月15日の森田さんの行動について、「その日の昼に元生徒が通う病院に行き、主治医に会い、『(元生徒は)変わりありません』と話しましたね」と質問し、繰り返し確認を求めたとされる。森田さんは「病院には毎月行っている。その日に行ったかどうか今は分からない」などと答えた。

 森田さんは15日、主治医に連絡を取り、当日は面談してなかったことを確認した。主治医が発行した証明書には「外来の処方箋を取りに来られただけの受診であり、(私と森田さんの)面談の記録はありません」と記されている。

 森田さんは「あの日、息子の自傷行為のことで朝から学校で校長や市教委らと話したりした。息子は部屋から出て来ない状況で、友達に来てもらったりしていた。そういう中で、息子が服用している薬がなくなりかけていたので、前もって電話をした上で病院へ行き、窓口で処方箋をもらって帰った。息子の様子や状況を主治医に話していない」と話している。

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