埼玉新聞

 

泣く男児「お姉ちゃん」…外出中に姉とはぐれ迷子に 偶然気付いた高校生7人が保護、自宅へ送り届ける 当初は警戒した男児、生徒らが優しく気遣い心開く 会話をヒントに自宅へ到着…喜んだ男児、心配した母のもとへ

  • 感謝状を受け取った吉田悠希さん(下段左から2人目)と新座署の塩原克利署長(同中央)=15日午前、新座署

    感謝状を受け取った吉田悠希さん(下段左から2人目)と新座署の塩原克利署長(同中央)=15日午前、新座署

  • 感謝状を受け取った吉田悠希さん(下段左から2人目)と新座署の塩原克利署長(同中央)=15日午前、新座署

 道に迷っていた男子児童を保護したとして、埼玉県警新座署は15日、城西大学付属川越高校のサッカー部員7人に感謝状を贈った。部活で培ったチームワークを生かした勇気ある行動に同署の塩原克利署長は「迷子のままでは事件や事故に巻き込まれていたかもしれない。思いやりの気持ちを持ち続けてほしい」と感謝の言葉を述べた。

 感謝状が贈られたのは、同校3年生の吉田悠希さんら。7人は4月28日午後2時ごろ、部活の試合後に帰宅している際、新座市栄4丁目地内の歩道で「お姉ちゃん」と声を上げて泣いている小学2年生の男子児童(7)を発見した。

 事情を聴くと、外出中に姉とはぐれてしまい道が分からなくなったことが判明。児童の話を基に自宅まで送り届けた。

 児童は当初、7人に対して不信感を示していたが、児童が埼玉西武ライオンズの衣服を身に着けていたことから野球の話をしたり、児童が好きなアニメの話をすると徐々に心を開き、笑顔も見せるようになったという。

 自宅に着き、母親から心配の言葉をかけられ安心した表情の児童を見て、吉田さんは「親子愛を感じることができ助けて良かった」と振り返り、「自分だけだと声をかけようか迷いがあったかもしれないが、後輩たちが後押ししてくれた。チームのテーマでもある『ワンチーム』の意識を生かすことができた」と話していた。
 

ツイート シェア シェア