埼玉新聞

 

「青天を衝け」尾高惇忠に親近感 演じる田辺誠一さん、気持ちを代弁「同じ目線で成長していければ」

  • 大河ドラマ「青天を衝け」で尾高惇忠役を演じる田辺誠一さん(NHK提供)

 「近代日本経済の父」と称される深谷市出身の実業家・渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」。栄一のいとこ・尾高惇忠役を演じる田辺誠一さんが「惇忠はみんなの面倒を見る『兄い』としての立場だけでなく、剣術や学問の『先生』という側面もある。がっちりとした上下関係ではなく、同じ目線で成長していければ」とコメントし、意気込みを示した。

 惇忠は栄一の10歳年上で、いとこの栄一や喜作に学問や剣術などを教える。早くから水戸学に傾倒し、栄一らに大きな影響を与えた。明治維新後は富岡製糸場(群馬県富岡市)の初代場長となり、栄一を支える。

 田辺さんは惇忠の印象について「僕の祖父が教師と農業を兼業していたので、似たようなところを感じる」と親近感を抱いている。「例えば剣術の腕前は(弟の尾高)長七郎に追い抜かされたりしている。教える立場としてはうれしいし、喜びでもある」と気持ちを代弁した。

 富岡製糸場の工場長としての惇忠にも触れ、「自分の娘をはじめ女性を積極的に活用するなど、フラットなものの見方ができる人。栄一や喜作らに対しても上から物を言う感じにならないように意識している」と見る。

 共演する吉沢亮さんについて「実は男くさいというか、しっかりと地に足が付いている印象を受けた」という。「栄一はクレバーで合理的な考え方の持ち主だが、かといって血が通っていないわけではい。義理人情に厚く人間的で、皆が幸せになるために行動していたり、不条理に対して違うと思ったらそれを表に出せるというのはすごいなと思う」と魅力を伝えた。

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