埼玉新聞

 

地下鉄7号線の延伸、実現へ加速 埼玉県とさいたま市、部局長会議を新たに設置 連携し取り組み

  • 地下鉄7号線延伸へ向けた部局長会議を設置することを発表する大野元裕知事(右)と清水勇人さいたま市長=30日午前、県庁

 県とさいたま市は30日、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)岩槻延伸について部局長会議を新たに設置し、需要創出につながる沿線開発や国との調整を行い、延伸実現に向け取り組むことで合意した。清水勇人市長は「延伸に向け取り組みを明確化できたことは県民、市民への強いメッセージになった」と強調。大野元裕知事は「まだ課題があるのも事実。県の強みを生かし、交流人口の増加に尽力するなど役割を果たす」と述べ、延伸実現へ取り組みを加速化させる方針を示した。

 合意では、(1)2016年4月の交通政策審議会答申で示された「県東部と都心部とのアクセス利便性の向上を期待」のできるだけ早期の実現(2)地元の期待を踏まえて推進(3)県市協働による推進―の三つの方針を県と市が共有。連携、協力し、事業性の確保に必要な沿線開発や交流人口の増加に向けた取り組みを進めるなど、課題に対応することを確認した。

 地下鉄7号線浦和美園―岩槻駅(約7・2キロメートル)の延伸を巡っては、県が昨年度設置した有識者による「公共交通の利便性向上検討会議」で、関係者間の合意形成を進め、国の補助の目安となる採算性を確保し、建設コストを精査して事業性を確立する必要があるとの指摘がなされている。

 今回の合意を受け、さいたま市では、市が17年時点で算出した約860億円の概算建設費について、再試算する意向を示した。

 またこれまで通り、市の総合振興計画の中で「浦和美園駅―岩槻地域成長・発展プラン」を上位計画に位置付け、課題として挙がっていた中間駅付近の街づくりについて検討を加速化させ、県と連携して取り組む方針を確認した。

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