「近代日本経済の父」と称される深谷市出身の実業家・渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝（つ）け」。土方歳三役の町田啓太さんがオンライン取材に応じ、「新選組のだんだら羽織に袖を通すことは身の引き締まる思い。渋沢栄一と土方歳三という一見絡まなそうな両者が、今後どのように関わっていくのか楽しみ」と見どころを語った。

　土方歳三は、池田屋事件で功績を上げた新選組の副長。幕臣になった渋沢栄一とある任務で出会い、同じ農民出身ということもあって意気投合する。鳥羽・伏見の戦いで敗れるが、官軍に抵抗して各地を転戦。榎本武揚や栄一のいとこの喜作らと箱館に渡り五稜郭を占領するが、新政府軍との壮絶な戦いの中で戦死する。

　町田さんは、土方の人物像について「『鬼の副長』と言われているので、最初は狂気的なイメージを持っていたが、自分自身にも周囲にも厳しく、自らの筋を通そうと奔走する心の強さを持った人」と考察。「（土方は）どう生きるか、どう死ぬかということに重きを置いていた。自分自身もどう在りたいのか、問うようになった」と、その生涯から学ぶことも多いと目を輝かせる。

　主人公の渋沢栄一とは「どういう思いで武士になったか吐露する場面がある。2人とも出身地が田舎ということで、シンパシーを感じる部分があったのでは」と話す。「栄一は常に前を向いている。いろいろな事柄にアンテナを張って、気付けることは才能だと思う。その部分が演じる吉沢（亮）君ともリンクしていて、魅力たっぷりなキャラクターだと感じる」と述べた。