埼玉西武ファンクラブ、会員数が最速の10万人超え 新たに女性ファンも取り込む 効果を上げた施策とは
今季のプロ野球は29日、開幕。パ・リーグ2連覇と11季ぶりの日本一を目指す埼玉西武ライオンズのファンクラブ会員の伸びが好調だ。
昨年の会員数は2008年の制度変更後では最多、初の10万人超えとなったが、今季は同年以降だと過去最速のペースで、10万人超えを達成。タイトル奪還への期待や会員向け特典を充実させたことなどが結果に表れている。「日本一」奪還へ、選手を後押しするファンの来場者数アップに全力を上げる。
■日本一への期待
埼玉西武ライオンズファンクラブの会員数は昨季、前年比12%増の10万4653人だった。一方、今季分は3月1日に既に10万人超えを達成した。
今季分は10季ぶりのリーグ優勝目前の18年9月26日から募集を開始。リーグ2連覇と11季ぶりの日本一への期待感の高まりや、会員サービスの充実とその訴求を図ったことが、最速での大台到達となった。
サービスの大きな特徴は「チケット購入の差別化」だ。会員だと「チケット代が一般販売より安い」のはもちろん、「入手が困難となる好カードのチケット購入が一般販売より早く購入可能」「ユニホームなどの記念品、チケット引換券など対費用効果が高い」などの利点を受けられる。
さらに、選手が参加する会員限定イベントへの参加といった特典もある。
ファンクラブ担当の事業部事業企画グループリーダーの清田和大氏は「会員向けの先行販売のチケット購入数は前年を上回るペース」と会員特典の効果が出ていることを強調。「購入が難しい試合もあるので、早めの購入をお願いしたい」と語る。
■観客動員も前年超え
10季ぶりにリーグ制覇した18年の観客動員数は、前年比5%増の176万3174人で4年連続で前年超えとなった。また71試合のホームゲーム中、26試合でチケット完売になったという。要因はファンの利便性の向上と新たな女性ファンの取り込み施策だ
利便性向上では17年から「playground」(東京都)の電子チケット発券システム「Quick Ticket」を導入。チケット発券方法の拡充がファンに受け入れられ、公式HPでオンライン決済したファンの内、1%程度が使っていたが、18年は利便性が評価され、利用率は2割程度まで上昇した。
通信アプリ「LINE」を活用し、選手の生の情報などを提供することも上昇に寄与した。新たな女性ファン獲得ではレディースユニフォームプレゼント企画が好評だった。
球団では西武グループの最大の媒体「西武鉄道」を活用し車両や駅構内で各種取り組みを周知するほか、ネットでの情報発信にも注力し、新たなファン層の開拓、観客増なに努める。